へとへと日記

ほとんど外に出ない人の生活の記録

ごめんなさい

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亡くなったのことを思い出すと「ごめんなさい」という言葉ばかり出てきてしまう。
いちばんそばにいて健康に気をつけなければならなかったのに、健康診断を先延ばしにしてステージ4の末期ガンになるまで放置してしまった。
これ以上大事なものはないのに、何をしていたのか。
家族が亡くなるたびに後悔しているのに、学習能力ゼロだ。
みんな苦しみながら、悲しい死に方になってしまった。

家族が入院中、竹田圭吾の遺稿「がんになってよかった100のこと」が文藝春秋に掲載された。
読みたいと言うので拡大コピーして病室に持っていった。
「がんになって良かった」という人の多くは余命が1年以上だろう。
ある日突然、末期ガンで余命2ヶ月、いつ容態が急変するかわからないなどと言われたら、「良かった」と思うのは難しい。

いままで弱音を吐かなかった人が、病床で「死にたい」と言った。
そう言われたらどうすれば良かったのだろう。

ジュリアン・バーンズの『太陽をみつめて』が大好きだった。小説の後半は舞台が近未来になり、いまでいうSiriとかウルフラムアルファみたいなコンピュータが登場して、それを相手に愛とか生とか死とか、答えのないような哲学的な質問を問い続ける。
たしかそのあと、母親に自殺について質問し、はっきりダメだと言われていたと思う。