朝焼け
ふと部屋に差し込む光の色が気になり、窓の外を見ると朝焼けで雲に色がついていた。
家族がいたころは、朝焼けや夕焼けが綺麗だとベランダから一緒に観たりした。
一人になった今は朝焼けなどどうでもよくなってしまった。
「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ
もう「おいしい?」や「おやすみ」を言う相手もいなくなった。
いつのまにか食べ物も味付けせずに食べるようになっていた。
食べるのも面倒になってしまって、何も食べない日が増えてきた。
誰とも話さない生活は良くないと思うのだけれど、話し相手がいない。
誰かと話すのもつらく、あとで落ち込んだりする。
それに、こんな自分と話していたら相手も疲れてしまうだろうし、迷惑だろうと思う。
朝焼けのあとは、どしゃぶりの雨になった。